元英国首相マーガレット・サッチャー

Originally posted on 20/04/2013

元英国首相マーガレット・サッチャー

4月8日、「鉄の女」と呼ばれたサッチャー元首相がこの世を去りました。

彼女がこの国の首相を務めていた時代、もちろん私は生まれてもいなかったので、この首相の功績に関しては教科書等で得られることしか知りませんでしたが、彼女の死去に伴うこちらの国民の反応を見ていると、その時代の記憶は彼らにとっては全く「昔の話ではない」というのが伺えます。

新聞の見出しひとつにしても、彼女が行った政策に対する評価が全く異なります。「国民を救った女性」と掲げる大衆紙もあれば、「国内を分裂させた女性」と書く大衆紙も。国内での評価がこんなにもはっきり二分しているのも、彼女の行った政策を知れば分からなくもないです。

ただひとつ、サッチャー元首相の死去に関して私がどうしても受け入れられなかったことが、サッチャリズムに反対だった国民たちの反応です。彼女の死去を受け、ロンドン南部だけでなく、スコットランドの大都市グラスゴーでも、サッチャー元首相の死去を「祝う」集会が行われたんだそうです。

更に、反サッチャー派の人々が、ミュージカル「オズの魔法使い」の挿入曲「鐘を鳴らせ!悪い魔女は死んだ(Ding Dong! The witch is dead)」の購入をSNSなどで呼びかけた結果、その曲がダウンロードチャートでトップになったとか。どうなんでしょうね、これ・・・。

サッチャー政権の政策によって貧富の差が拡大し、それが今でもこの国の大きな社会問題になっていることを考えると、恨みを抱いている人たちもたくさんいると思います。でも、人の死を「祝う」その行為は、私からするとそれ自体が大きな社会問題であると思えました。マーガレット・サッチャーだって一人間で一母親、そして家族がいたんです。それを考えると、「祝う」集会に参加してシャンペンを開けて歌って踊っている人たちに対して、残念な気持ちしかありません。

(写真は、エディンバラの街の中心にあるメドーズという大きな公園の中で撮ったものです。)